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Happy Rich - 我、今、ここに、生きる -

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私流自己資金0の投資法

本ページの内容は2005年3月に日記として書いたものを元に若干の加筆をしたものである。

また、ここで書いている投資は基本的には不動産投資ではあるが、その考え方そのものは、他の投資にもあてはまるので敢えてこの「投資」のフリーページの下に置いた。

テーマは「私のしている自己資金0での投資法」である。

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通常の資産を運用する場合の鉄則と、実際に私が運用している方法を比べると、大きな違いが一つある。

それは一言でいって「生活防衛資金」と木村剛が呼び、「最低限の現金準備」とバートンマルキールが呼ぶ、資産のあり方である。

例えば木村剛はその「投資戦略の発想法」の中で、どんな投資をするためにもまず「生活防衛資金」と彼が呼ぶ最低限の流動資産(すぐに現金化できる資産)を持つべきだ、と述べている。

その最低限、というのは株が下落しても債権が紙くずになっても、あわてず冷静に対処でき、いわんやリストラに合って職を失ってもしばらくは家族を路頭に迷わせないに十分なお金、としている。

彼は通常生活費の2年分、できれば3年分を、この「生活防衛資金」として確保した上で、それ以上の余裕資金で投資をしなさい、と説く。

これはごくごもっともな提言ではある。

バートンマルキールもはっきりと何年分とは言っていないが、同じような考え方に立ち、比較的流動性の高い資産の運用方法をいくつか掲げてポートフォリオの一部に組み込むことを推奨している。

私自身、この考え方に全く賛成であるし、そうあるべきだと思っているのだが、実際自分がそれをやっているか、と言うと全然やっていない。

できない、のではなく、「やっていない」のである。

実際、私個人の流動資産(ここでは定義を2,3日以内に現金化できる資産とする)は殆どない。

銀行預金でさえ日本とアメリカの5つの銀行口座がありながら、その合計は50万円もない。

もちろん満期を待たずに解約すれば現金化できる定期預金やアメリカのCD(Certificate of Deposit)を含めて、である。(含めて、と言っても、私はどちらも持っていないのであるが・・・)

つまり毎月の生活費にも満たない流動資産しかない、ということになる。

これでは信奉する木村剛やマルキールの言っていることと、実際やっていることは全く違うではないか。

そう、違うのである。

ではどうしているか、これが私の資産運用法の一大特徴であり、こんな運用をしている人を私は他に知らない。

ではもったいぶらずに、私のやり方を公開しましょう。

私は「不動産担保ローン」をこの「生活防衛資金」の預け先として利用しているんです。

と聞いても、すぐに意味がわかる人は居ないと思いますが。

つまり、もし生活に必要な現金が上記の50万円以上に増えたら、「不動産担保ローン」の追加借り入れをしているのです。

「なんだ、借金で生活費をまかなっているのか」と思われるでしょう。

実は・・・そうなんです。 だからこそ、こんな運用をしている人を他に知らない、と言ったのです。

でもここには緻密な(と本人は思っている)計算の上に立ってこうしているのです。

まずこうしている背景ですが、

前提その(1):私はすでに70万ドル(約7500万円)以上の借金(ローン)を抱えている(アメリカだけで、ですが)

前提その(2):このローン金利は30年固定で6.74%である。

前提その(3):このローンは、Equity Line of Credit といい、不動産評価額の75%(投資物件)あるいは90%(自宅)まで当該物件を担保に借り入れを起こせる。

前提その(4):このローンは繰り上げ返済も任意で手数料なし、追加借り入れも手数料なし、小切手を切るだけ

前提その(5):このローンは変動金利と固定金利を、その時々の状況に応じて、自由に何度でも切り替えができる

というものです。

で、ここでこんな計算をしてみます。

例えば現在50万ドルのローン残があり、この借り入れ金利が6.74%だとします。

手元に10万ドルの預金がある場合と、この10万ドルをとりあえずこのローンの元金返済に充てている場合との違いを考えて見ます。

この10万ドルという数字は、通常の生活費の約2年分に相当する「生活防衛資金」です。

10万ドルを預金した場合は、定期預金とし半年複利で、仮に利子が1.5%付くとします。できるだけ遊ばせたくないですから。

最悪時満期前の解約を覚悟して半年定期にこの10万ドル入れ、一年貯蓄していての利子は約3000ドル付きます。

ただし、ローンは50万ドルのままですから、この一年に払う利子は33700ドルです。

ここまで書けば私のしていることがわかると思いますが、ついでにこの10万ドルをいったんローン元金の返済に充てた場合を考えます。

この10万ドル分の元金に対する年間利子支払いは6740ドルで、この利子分が節約できることになります。

定期預金に入れておいて、一方でローン利子を払い続けるのと、預金利子はないけれどもローン利子を節約できるのとどちらが得か。

あきらかにローン返済に回した方が得です。上記例では年間3740ドル(約40万円)も違います。

つまり、定期預金や他のMMFなどの流動性の高い資産運用方法では、ローン金利の6.74%以上のパフォーマンスが望めない限り、ローン返済に回した方が得なのです。

で、最悪、なにかの都合で急に現金が必要になったとします。

その場合は、このローン口座の小切手を切って、その支払いに充てることができ、その時点でその使用額分だけローン残高が増加します。

つまり6.74%のローンにその分だけ戻ってしまうわけです。

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結局、私の場合は、この不動産担保ローンの口座を、いうなれば6.74%の利息が付く普通預金に見立てそこに通常、緊急には要らない資金をプールしておき、必要に応じて必要額だけそこから引き出す、という使い方をしているわけです。

また、このやり方のいい点は、いつも銀行預金残高を確認するとあまりお金がない、ということに気付くことができる点です。

もし定期預金やましてや普通預金に10万ドル(一千万円)もいつもあったら、つい使いたくなってしまうのが人の常でしょう。

ところが私の場合は一ヶ月の生活費もないわけで、かといって、追加のローン借り入れを起こす、というのもやはり抵抗があるものです。

それで自然と、節約できる、というわけです。

まあ、理論的にはそうなんですが、あんまり節約の効果が上がっていない、という現実の問題は多少ありますが・・・・

で、最後に私の投資の基準ですが、もし、このローンの追加借り入れを起こしてもやるべきだという投資、

具体的には投下資金に対するリターンが6.74%以上見込める場合、その場合にこのローンを資金源にして、自己資金0で投資をする、というものです。

そういった投資先が見つからない限り、余剰資金ができるたびに、このローンの元金返済に回す。

これがリンロン流資産運用法でした。


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